ただ今、ゆめの中にいる。

ただ今、ゆめの中にいる。



そう感じたことある?



ここは夢の世界。

今日したことも、昨日の出来事だって、全部ゆめ。そうじゃなければ説明できないところがありすぎる。そもそもここにいる原因が信じられるものではない。だからここは夢に違いない。私の周りにいる人たちだって、みんな不思議の国のアリスに出て来るような人物だし、突然いなくなってもおかしくない。あの絵本に出てくる兎のように、私を誘って道だけ教えてくれてどこかに消える。教えてくれているのか、ただイタズラしているのか分からないけど。そう思うといきなりブラックアウトして違う時のわたしに戻っても私は驚かない。自分の実体は他の場所にいたとしても、納得すると思う。

でもブラックアウトはしない。毎朝目を開けると、ときわ台の部屋によこになっていて、そうだ、私は今東京にいるんだ。ここはサムの家。私はフリーランスで通訳と翻訳の仕事をしている。起きなきゃ。

そうすると目が覚める。ということがもしあったら、2006年の3月に戻ってると思う。親が管理しているアパートで彼氏と同棲している。一番彼と上手く行ってる時期だなと思いつつ、実は後数ヶ月でカナダに留学することが決定されたばかりで、その状況にいるからこそ今を必死に大切にしている2人がいるとも感じる。

16日から22日にメキシコ・シティーで水フォーラムが開催されるらしい。いつも仕事の話を出してくれる友達から電話がきて、「ひな、この日空いているかな?」田村システムっていう会社がマイナスイオンを利用するフィルターを水フォーラムで展示しにきて、そのサポートを私がすることになった。わお。こんなこと私に出来る?正直を言えば私の日本語では難しい言葉は分からないし、表現する力もないし、敬語の使い方も微妙だし、でもこの仕事を受け取ったからには正直なことなんて言ってられない。しょうがない。なんとかなる。

お客さんを空港に迎えに行く。乗ってる車は2000年モデルのフォード・フォーカス。ドキドキしながら説明を受ける。専門用語を取り入れようとするけど、頭の中はモヤモヤ。

でも、なんだろう。

日本語で説明を受けているだけで、嬉しくなる。

この気持は普通の日本語話者には分からないでしょう。自分の言葉ではあるのだけど、普段聞くことは出来ない。特に決まった場所や決まった人との交流以外には接することはない。実際はそんなこと考えてないけど。振り返ると、そうだったのかな。

…つづく

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